ベビーカー論争に思うこと。

NHKのNEWSWEBにこんな記事がUPされていた。

「ベビーカーマーク」作成 交通機関などに (記事はこちら

ベビーカーに子どもを乗せた親が交通機関を気兼ねなく利用できるようにしようと、国土交通省の検討会が「ベビーカーマーク」を作成しました。今後、電車やバスの車内のほか駅などに貼って、周りの利用者にベビーカーへの配慮を求めていくことにしています。

(中略)

専門家「きちんとスペース確保を」

恵泉女学園大学教授で、子育て支援に取り組むNPOの代表を務める大日向雅美さんは、「ベビーカーを乗せて非常識だと思われるのではないかと心配している母親がたくさんいるので、マークが貼られて、ベビーカーで乗っていいということがはっきりと分かるようになることは大きな進歩だ。ベビーカーが乗ってきたら手を差し伸べ、みんなで助け合うひとつのきっかけになってほしい」と評価しました。
そのうえで、「ベビーカーは大きく重量もあり、中に赤ちゃんがいる。どこに置いてもいいというわけではないので、マークを作成するのであれば、きちんとスペースを確保しベビーカーを固定する装置もつける必要がある」と話しています。


NHK NEWSWEB 3/26 18:56 配信記事

ベビーカーに対する風当たりって想像以上に強い。中でも、混んでいる時間(朝夕の通勤・通学・帰宅の時間帯)に乗ってくるのは、いかがなもんかというご意見をお持ちの方、結構いらっしゃるのでは。とはいえ、朝夕の時間が混むのには、それこそ人それぞれの事情があり、そうなっているわけで、一方的にベビーカーを使ってる人だけに「配慮」を求めるのは、何だか不公平。お互いさまというか、できる範囲で心配りが循環するような社会のあり方がマナーが必要なのではないだろうか。

時短勤務もあるんだからそれ使えばいいのでは?という意見もちらほら。職場で、時短勤務に対する理解が十分醸成されていれば問題ないのだろう。ただ、現状では、そうした職場は限定的ではないだろうか。少しでも会社に貢献するために、朝だけは早く行って、夕方少しだけ早めに帰らせてもらうようなとり方をしている友人が自分の周りには多い。本当は通勤時間を外して送迎したいとは考えているけど、なかなか難しいという声もあった。

人にはそれぞれ事情がある。いちいち気にしていてはしょうがない、あるいは自分のことで精いっぱい、という余裕のない空気感が日本社会全体に蔓延していないだろうか。ベビーカーを巡る論争、時短を巡る論争は最近よく見かけるが、論争の根っこには、そうした日本社会のゆとりのなさがあるのではないだろうか。できることを、できる範囲で、さりげなくできるそんな空気感を醸成できたらいいのになあ。