子どもの貧困に関する議論で疑問に思っていること。

なぜかここ数日体調が悪化。講義の準備を前もって済ませておいたせいだろうか。GW遊び過ぎたツケが回ってきたのかどうかは知らないが、とりあえず横になる時間を増やしている。ペーパー書きを1件終わらせて、気が緩んだのかもしれないな〜としみじみ思っているところではある。



さて、ペーパー書きに絡んでいろいろ調べてみたいことが増えた。ひとつは子どもの貧困を巡る議論。日本での議論の状況はちょっと物足りなさを感じている。


それは「一人親世帯の相対的貧困率」がここ10年低下傾向にあるということを指摘する声をほとんど聞かないことだ。しかし、テレビの報道やシンポジウムなど様々な形で貧困問題が再提起されるようになり、中でも子どもの貧困については、これまでにないくらい注目が集まっている。


なぜ、ひとり親世帯に関しては貧困率が低下傾向にあるのか、同じひとり親世帯の当事者としても関心があるので、時間を見つけて調べてみたい。



そんな新たな関心を持つ一方懸念も持つようになった。貧困問題に注目が集まったのはよいことなのだろうけど、とはいえ今なお厳然として存在する大人の貧困、ホームレスの方々へのまなざしについては、余り関心が集まっていないよう思える。むしろ行政の対応は、結果として、ホームレスの人たちを社会的に排除する方向に向かう政策ばかりが目立ってしまっている。この子どもの貧困問題への社会的に強すぎるまなざしは、実は、以前からあった問題について再度取り上げることを遠ざけるために、意図的に作り出されてはいないだろうか。そんな疑問を持つようになっている。


もう1つだけ疑問を挙げておこう。貧困問題を解決するための基盤として、いかに稼ぐか、稼ぎやすくするかという経済政策についての議論があってしかるべきなのに、極めてそれが少ないのではないかという疑問。もちろん、(マクロの)経済政策を打つだけでは解決できない課題もあるのだけど、いわゆる経済を成長させるための政策などの経済政策なしに、貧困問題を解決できるわけではない。まずお金を稼げるようにする、そうするための方策を打つ必要があるのではないか。


経済政策の必要性の有無についてはともかく、前者の疑問については、解明したいとも思っている。子どもの貧困問題自体も実は、注目をこうして集める前から、問題としてはあったわけで、貧困問題に対して、日本という国が政策的にどのような態度をとってきたのかということを捉えなおすことは、意義があるのではないかと考える。


さて私にできるだろうか・・・。